オシロスコープ
帯域について
計測したい信号の周波数の最低2倍(サンプリング定理),振幅誤差をいくらかに収めるかにより必要な周波数は更に高くなる.振幅誤差を1%未満に抑えたいなら,スコープの帯域幅を計測したい信号の5倍以上にする必要がある.
例として,300MHzのオシロスコープであれば,300MHzの信号は最大30%の誤差になる.
(オシロスコープの帯域は-3dBで定義しているため)
誤差を3%未満で計測可能な最大周波数は0.3×300で実質90MHzほどになる.
よって100MHzの信号を3%未満の誤差で計測したかったら,300MHzの帯域が必要になる.
プロービングメモ
高周波になるほど計測が難しくなる.
プロービングは小さく,短くが原則.
オシロスコープに標準でついているGNDリードは配線のインダクタンスがかなり影響する.
DCDCコンバータなどの,高周波スイッチングの際は放射ノイズをGNDループ内を通過することで電位が発生し,結果としてオシロスコープの波形にリンギングとして現れ,波形を正しく計測できない.
対策としてはスプリングリードを使ってGNDループを最小にしてやる.
一度DCDCコンバータの回路を設計し,全く同様の問題で悩んでた時があった.
結果としてはリンギングが乗っていただけで回路としては正しく動いていた(プロービングを変えたらわかった).
このときはプロービングについて知見が足りなかったので,教えてくれたべーたさんには感謝.
MOSFETの損失を計測したいとき,高電圧差動プローブと電流プローブを組み合わせて使うが,このとき信号の遅延(スキュー)を補正しないとスイッチング損失が正しく計測できないことに注意する.
この遅延の補正をデスキューという.
XYモードを使うとSOA領域の解析もしやすい.
Z0プローブ
プローブ自作の例として見つけた.
ポイントは計測する機器のインピーダンスを一定に保つことのよう.
50Ω終端,10:1のプローブが結構お手軽に作れる.
しかし,10:1に減衰するにしても負荷は500Ωになるので,計測する信号の電圧や出力インピーダンスによっては相対的にかなり大きい負荷になるかもしれないので注意する.
まぁ等価回路わかれば受動プローブを自作することもできなくない.
帯域はかなり落ちると思うけど,GNDリードを短くするには自作もじさない時があるかも
電流プローブ
電流を計測できる素敵なプローブ,非常に高価
オシロスコープ本体より高いこともしばしば
実際に作ってるのは日置とテクトロニクスの2社,他のオシロスコープメーカの電流プローブはこれらのOEMであることがほとんど.
汎用の電流プローブは別途電源が必要になる.出回ってるのはたいてい日置製.
電流プローブの電源コネクタはLEMO社のSシリーズのコネクタ.
Sシリーズ