ブラシDCモータ
一番シンプル?な直流モータ
理科の実験とかでも作るやつ.
ロボコンだとみんなたくさん使う.
動作原理
フレミングの左手の法則
$F = q(v\times B)$
モータの出力はトルク×回転数(角速度)
トルクはフレミングの左手の法則によって得られる力とその半径$r$により得られる。
トルクを増加させるには電流$I$または磁束密度$B$を大きくする。
モデリング
モータをモテリングする,かんたんに言うと数式として表現する.
一般的にモータは以下の固有のパラメータが存在する.
記号 | 単位 | 概要 |
---|---|---|
$R$ | $\Omega$ | 内部抵抗 |
$L$ | ${\rm H}$ | 内部インダクタンス |
$K_v$ | ${\rm V/(rad \cdot s)}$ | 逆起電力定数 |
$K_t$ | ${\rm N\cdot m/A}$ | トルク定数 |
$J$ | ${\rm kg \cdot m^2}$ | ロータ慣性モーメント |
$D$ | ${\rm N\cdot m/(rad/s)}$ | 粘性抵抗係数 |
$e$ | ${\rm V}$ | 印加電圧 |
$i$ | ${\rm A}$ | 電流 |
$T$ | ${\rm N\cdot m}$ | 発生トルク |
$\omega$ | ${\rm rad/s}$ | 角速度 |
コアードモータ
モータの回転子(ロータ)に、電機子鉄心(コア)が固定されており、コアに巻線が固定されている。このため、コアードモータはコアとロータがともに回転する。
代表メーカ
- マブチモータ
- 日本電産
コアレスモータ
モータの回転子(ロータ)
コアードモータで言及したコアが存在せず、ロータには巻線のみが固定されている。ムービング・コイル型ともいう。
代表メーカ
- Maxon Motor
- Faul Haber
利点、欠点
DCブラシモータにて、両者の欠点利点を比較してみる。コアードモータに対してコアレスモータの利点、欠点という形であげてみる。
コアレスモータの利点
- ロータ慣性モーメントが小さく,モータの時定数が小さい.
- 電機子のインダクタンスが小さいので整流特性が良い.
- コギングトルクが発生しない.
コアレスモータの欠点
- 熱に弱い
- 製造方法が複雑なため,コアモータより基本的に高価
コアレスモータは熱に弱い?
大抵の資料にはこうやって書いてあるけど,じゃあなぜコアレスモータは熱に弱いのだろうか?というこについて言及しているものは見つからなかった.
自分の知ってる知識を駆使して考えてみる.
結果から言うとコアの有無による熱容量の差が要因だと考えられる.
まずモータの熱の発生について考える.
ブラシDCモータにおいて駆動時に発生する熱は,モータの巻線に流れる電流によるジュール熱である.
ジュール熱の大きさ$Q$はオームの法則と関連付けして式にすると
$$Q=I^2\times R\times t$$
と求められる.すなわち,電流が流れるとその2乗で熱が発生することになる.
巻線の温度はジュール熱$Q$により上昇していくことになる.
コアードモータのロータはコアに巻線が巻かれている.すなわち巻線という熱源にコアが接しているため,巻線で発生した熱もコアが大きな熱容量を持っており,かつ空気よりも熱抵抗が小さいため,巻線で発生した熱は空気中よりも先にコアに熱が移動する.このため,ジュール熱が発生しても巻線自体の温度上昇はそこまで大きくない.
逆に,コアレスモータは巻線のまわりは空気中であり,コアも存在しないのでロータの熱容量は実質巻線のみになる.このため,同じだけのジュール熱が発生しても,コアレスモータのほうが熱容量が小さい分温度上昇の割合が高いということになる.
以上から,巻線の温度が上昇しやすく,巻線の焼損温度に達する可能性が高いことから,「コアレスモータは熱に弱い」と言われていると思われる.
製品メモ
製品のメモ
TC78H651FNG
電圧低め,乾電池2本で駆動可能
電圧(動作範囲)[V] | 1.8~6.0 |
---|---|
出力電流(最大定格)[A] | 1.6 |
Hブリッジch数 | 2 |