磁気式エンコーダ製品
原理
AKMの資料が優秀なので写経しておく.
この章における画像はすべて#06 磁気式エンコーダーの角度誤差より引用
一般的に,ICに対して横横行の磁界を検出するタイプのホール素子を使っているものが良い.
磁石は径方向虹化された磁石が良い.
磁石の径はは大きい方がエンコーダ内部を通過する横方向の磁界が増えるためSN比を大きくできる.
角度誤差
外乱磁界
軸ずれ
軸の傾き
磁石の軸ずれ
回転軸とホール素子の軸はあっているけど,磁石の軸が回転軸からオフセットしている場合,実はこれは誤差の要因はあまりならない.
磁界の大きさは角度によって変化しないため,しかし磁界の振幅は小さくなるのでSN比が小さくなる
まとめ
理論的に,生じるズレに対して生じ,重畳する誤差の形状(正弦であること,周期)はある程度見積もれるが現実にはこれらが全部混ざった結果しか計測できない.
なので実際に回してLUTを作ったほうがコスト,手間の点からは現実的であると言える.
磁石の取り付けについて
磁場の変化をホールセンサで読み取るため,磁石が回転することで変化する磁場の振幅が大きいことが大切
鉄などの磁性体に磁石を直接取り付けてしまうと,磁束が磁性体に集中してしまう.
このため,エンコーダ用の磁石は非磁性体に取り付けるか,直接磁性体に取り付けずにギャップを設けるとよい
AN5000 Rotary Magnetic Position Sensors Magnet Selection Guide
Off-Axisタイプの磁気エンコーダの線形補正方法
Microcontroller-Based Linearization of Angular Sensor ICs
MPS
MA730
MA730
カットオフ周波数が23Hzとかなり小さいので,応答が必要なものには向かない.
モータのロータにつけるならMA732のほうが良さそう.
MA732
AMS
amsのエンコーダはゼロ点のオフセット情報を一度だけしか書き込めない仕様.OTPという文字をデータシートで見かけるが,One Time Programmingの事
AS5047D
- 磁気式
- 11bitインクリメンタル(ABI)
- 14bitアブソリュート(SPI)
- UVW(ホールセンサ信号?)
- PWM
AS5048A
- 磁気式
- 14bitアブソリュート(SPI)
AS5048A搭載 磁気エンコーダモジュール
分解能が高く,フィルタ処理を入れないと使いこなすのは難しそう
https://github.com/sosandroid/AMS_AS5048B 移動平均とか入れていたけど,三角関数を多用していたので可能ならもっと計算負荷をちいさくしてやりたい
モーションコントロールの要、エンコーダ
Broadcom(旧Avago)
AEAT-8800-Q24
- 磁気式
- 10,12,14,16bitアブソリュート(SSI)
- ABIインクリメンタル(max:4096PPR)
- UVW(max:8pole pair)
- PWM
AEAT-6600
- 磁気式
- 16bitアブソリュート(SSI)
AEAT-60xx
- 磁気式
- 10,12bitアブソリュート(SPI)
TDK
TMRセンサ
- 磁気式
- アナログ出力(差動)
正弦波がでてくる.型番によって1.5Vpp,3.0Vppがある
TAS2141-AAAB : 1.5Vpp
TAS2143-AAAA : 3.0Vpp
https://product.tdk.com/info/en/products/sensor/angle/tmr_angle/technote/tpo/index.html
AKM
旭化成は個人では対応してくれない.
また,どうやらアクセスできる範囲ではどうやら旭化成の磁気エンコーダ製品はEOLになってしまった.
AK7452
- 磁気式
- 12bitインクリメンタル(ABI)
- 14bitアブソリュート(SPI)
- UVW(32polepair)
https://www.akm.com/akm/jp/product/datasheet1/?partno=AK7452
RLS
AKSIM™ ロータリーアブソリュートエンコーダモジュール
- 磁気式
- 20bitアブソリュート(最大)
iC-Haus
ドイツの半導体メーカ,2002年にBiSSインターフェースの策定をした.
iC-MH 16
iC-MU
Off-Axis式のエンコーダ.2つの磁気トラックの磁力を読み取って角度を算出する.
計測原理としてはNTNの複列磁気リングの資料が参考になる.一周に2^n極と2^n-1極の磁石をもつ磁気リングを計測する.
磁石1極分の強度をホール素子を用いて計測すると磁石1極での正弦波となる.
リング一周あたりの磁極が1つ異なるため,わずかに位相が異なる.この位相差を算出るすることで,高い分解能を得ることができる.(バーニアの原理)
バーニアの原理についてPythonで試してみた.
https://github.com/yuqlid/JupyterNotebook/blob/master/Nonius-Vernier%20principle.ipynb
iC-MUには内部のホール素子によって1極の磁石の強度を12bitで計測できる.これにフィルタ処理を行って14bitの分解能を得る.そこから位相差を使って分解能を高める,使用する磁気リングの極数によって計測できる一周の分解能が異なる.
64/63極の磁気トラックであれば64=2^6であるため,14bit+6bit=20bit,一周あたり20bitの分解能を得ることができる.
東京ロボティクスのTOROBO ARMにはNTNの複列磁気リングが採用されている.64/63極対のため,関節の角度分解能は20bitとなる.
減速機の前後?(記事ではトーションバーと記載)でこの複列磁気リングを搭載することで,ねじり量を読み取ってトルクを算出している.
Study of a system for the absolute position measurement
複列磁気リング
NTN テクニカルレビュー No.86 特集 ロボット・センシング商品,工作機械
高度なモータ制御を可能にする『高精度磁気式角度センサ』を開発
というか,NTNの作ったと書いてある複列磁気リングがiC-MUの対応している磁石として売っている.これNTNがOEMでiC-Hausに卸しているのでは?