Negative Temperature Coefficient Thermistor
負特性サーミスタ
サーミスタは,温度変化に伴い抵抗値が大きく変換する電子部品.中でも温度が上昇すると抵抗値が変化するものをNTCサーミスタという.
リセッタブルヒューズやポリスイッチと呼ばれるものは温度が上昇すると抵抗値も上昇するのでPTCという.
NTCサーミスタは温度に対し指数関数的変化する.
温度係数$\alpha$は
$$ \alpha = \frac{1}{R_0}\frac{dR}{dT} $$
この抵抗値の変化の大きさ(傾き)はB定数と言われる.
NTCサーミスタの抵抗値$R$は
$$ R = R_0\exp^{B(\frac{1}{T} - \frac{1}{T_0})} $$
ここで,$R_0$, $T_0$は25℃のときの抵抗値[K]
上記の式よりもより高精度なモデリングとして,Steinhart-Hart方程式を使ったものがある.
$$
\frac{1}{T} = C_0+C_{1}\ln(R)+C_{2}\ln(R)^3
$$
ここで,$C_0,C_1,C_2$はサーミスタのSteinhart-Hart係数
抵抗値の変化が比較的大きいため,マイコンのADCで直接読める.
低コスト化に貢献してくれる.
サーミスタにおける温度変化に対する抵抗値の変化の割合.
一般的にB定数の大きいサーミスタは抵抗値が高くなる,よって抵抗値をB定数の組み合わせは自由に選ぶことは不可能.
直接expの計算をやってもいいし予めLUP持っておいても良い.
また,直列抵抗を挿入することで,一定の温度範囲内において
かなり線形化できる.
VESCは10kでプルダウンしてた.実際10kでプルダウンすれば実用上の温度領域(~100℃くらい)ではだいぶマシに線形化できる.
$$ T[K] = \frac{1} {\frac{1}{B} ln\{\frac{R1}{R25}(\frac{ADCVal_{full}}{ADCVal} - 1) \} + \frac{1}{T_0} } $$
$T$ : 温度[K]、ケルビンなので注意
$T_0$ : 基準温度 たいてい25℃=298.15K
$R1$ : プルダウン抵抗値
$ADCVal_{full}$ : フルスケール 12bit分解能なら4095
$ADCVal$ : ADC計測値 12bit分解能なら0~4095
$R25$ : サーミスタ基準温度での抵抗値
$B$ : サーミスタB定数
SEMITECのサーミスタは非常に薄型のものがある.
JTサーミスタシリーズ(高精度・超薄形サーミスタ)
秋月電子に取扱あり.
超薄型サーミスタ 103JT-050